袋ラーメンが安い、カップ麺が高い理由、価格のカラクリとは?

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インスタントラーメン 袋麺が安い理由:カップ麺の容器、液体スープのパック、麺

執筆者: 宮城正輝

 スーパーでインスタントラーメンを選ぶとき、二つの選択肢があります。

  • カップ麺 = 価格が高い

  • 袋ラーメン = 価格が安い

 カップのインスタントラーメンは袋麺よりも価格は高くなります。しかし、魅力的な新商品が次々と発売されるので、いつも買ってしまう方は多いはずです。

 このカップ麺、袋ラーメンにまつわる・・

  • インスタントラーメンの袋麺が安い理由とは?

  • カップ麺が高くなってしまう理由

  • 今のトレンドとインスタント麺が安くなるとき

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

インスタントラーメンの価格を安くできる理由

インスタントラーメンの価格を安くできる理由

 袋ラーメンが安くできる理由の前に、まずはカップ麺、袋麺ともに・・

POINT

なぜスーパーで激安で売ることができるのか?

 についてです。

 インスタントラーメンはコンビニでも扱っていますが、コンビニと違って大量に販売できる(売り上げ数アップ)を期待できるスーパーでは、製造メーカーから販売奨励金を受け取れることがあります。

 製造メーカーからの販売奨励金、いわゆるリベートとは・・

製造業者等 → 食品卸売業者等 → 小売店等

販売数量等に応じて支払われる奨励金

 ここで取り決めた数量より売ることができれば奨励金を得られるので、思い切った価格設定ができます。チラシに掲載しているインスタントラーメンの価格を見て・・

これって赤字じゃないの?

 という激安セールを見ることがあります。そんなときは仕入れ値ギリギリかもしかしたら赤字になっていて、奨励金でカバーする対策を予定して安値にしている可能性があります。

 では次にカップ麺、袋ラーメンそれぞれの価格が高い理由、安い理由を比較します。

カップ麺の原価から分かる袋ラーメンとの違い

 最初にカップラーメンの原価についてチェックします。まず・・

カップラーメンの外観

 カップ麺です。今回は平均的な数字を想定しているため、特定のメーカー、ラーメンのブランドは関係しません。

カップラーメンを開封する

 表面のビニール袋をやぶって・・開封します。この包装ビニールも原価に含まれるのでとっておきます。

外装ビニールを取ったカップラーメン

 カップの状態になりました。ここで「熱湯3分」の文字を確認しておきます。

カップラーメンのフタを開ける

 開封します。粉末スープとその他の袋を確認します。

カップラーメンの麺のみ

 カップ麺に入っている麺です。原価は およそ15円です。

カップ麺に入っている液体スープのパックと具(かやく)

 こちらは液体スープと具(かやく)です。原価はおよそ13~15円です。

カップ麺の空のカップと包装ビニール

 そして、食べられない部分:カップ、フタ、包装ビニールです。原価はおよそ18円です。

 カップラーメンの原価をまとめるとこうなります。

カップラーメンの原価 一覧
15円
スープ・具 13~15円
カップ・包装 18円

 意外なのは、インスタントラーメンの魅力となっているスープ・具のコストよりも、カップ・包装にかかる費用が高くなることです。

麺、またはスープよりも高い カップ+フタ+包装ビニールのコスト

 カップラーメンの原価は全体が48円なのに、カップや包装にかかるコストが・・

18円 = 37% かかってしまいます

 例えば、少し高めのカップ麺で、原価が100円となる製品だったとき・・63円で食べる部分を購入し、食べない発泡スチロールのカップ+包装のビニールを37円を出して購入していることになります。

 ここまでカップのコストが高いのなら、袋ラーメンと比べて価格が開いてしまうのも納得できます。

インスタントラーメン:袋タイプは5食セットなので安い

インスタントラーメン:袋は5食セット販売なので安い

 商売の定番となる法則ですが・・

POINT
  • 1つだけ買ったら10円

  • 5つパックは40円(1つは8円)

 これが常識です。

沢山買ってくれたら、安くします!

 というルールを価格で表現しています。

インスタントラーメンを劇的に旨くする

 袋ラーメンは5食(または3食)のパック売りが基本なので、カップ麺よりも安価になる傾向があります。

 安く購入できることはメリットのはずですが、一人暮らしの方に多い意見では・・

5食パックは多くて味が飽きる

 こんな不満があります。

 それを反映して、最近では袋ラーメンをバラ売りをするスーパー、コンビニが多くなっており、人気のラ王も3食パックに切り替わっています。

カップ麺は空間(スペース)の分だけお金がかかる

カップ麺は空間(スペース)の分だけお金がかかる

 インスタントラーメンの袋麺が安くて、カップ麺が高値になる理由の一つに・・

袋麺のスペースの効率が良い

 これがあります。

 インスタントラーメンに限らず、食品は工場から出荷するとき、お店に陳列するときにもスペースが必要です。カップ麺はトイレットペーパーのような筒状の形をしていますが、段ボールに入っているときは長方形のスペースが必要です。

カップ麺1製品の空間に、袋麺なら3~4つ入る

 これくらいの場所が必要になります。なので カップ麺の段ボール箱は大きくなり、トラックに積載できる数が制限されます。

 スーパーの売り場スペースでも同じ事が言えます。少ない個数だと売れるチャンスが減る → 損をするので、カップ麺を陳列するなら袋ラーメンより価格が高くないと割に合わないことになります。

定番の袋ラーメンは安い価格でずっと売れ続ける

鯖ラーメンゆで卵とお箸とレンゲ

 子供のころ、実家でいつも食べていたインスタントの袋ラーメン 例えば・・

  • サッポロ一番 しお

  • チキンラーメン

  • 出前一丁

 これら 昔から変わらない定番の袋ラーメンは、スーパーで必ず手に取る方も多いはずです。となれば・・

スーパーのチラシ:袋ラーメン 特価!

 このきっかけだけで売れます。なので、特別にテレビCMのコストをかけず売れるとなれば、安値になって店頭に並ぶ頻度はが多くなると予想できます。

 ガスコンロなし、ポットのお湯だけで袋ラーメンを調理する方法はこちらにまとめています。

インスタントラーメンの袋麺が安い理由:結論

インスタントラーメンの袋麺が安い理由:結論

 インスタントラーメンはどのタイプでも十分に安いといえるはずですが、そんな中でもカップ麺が高いくなり、袋麺が安く販売できる理由は・・

POINT
  • カップ麺のカップ・梱包のコストが大きい

  • カップ麺は登場して値下げ前に消える

  • カップ麺は輸送・販売時のスペースが大きい

  • 袋ラーメンは、5食パックで安い

  • 定番の袋ラーメンはCMナシでも売れる

 そしてもう一つ、PB(プライベートブランド)なら安くなる傾向があります。PBとはスーパーの独自パッケージです(イオンのTopvalueなど)。

トップバリュの評判|安すぎの理由

 かなり安くなる理由は、極限まで原価を落とした(輸入食材などを採用)インスタント麺を発注して・・必ず大量購入する契約とします(依頼した分を全部買い取ります)。

PB(プライベートブランド)で安くなる
普通の価格 PBの価格
カップ麺 100円 69円
袋ラーメン 55円 29円

 袋ラーメンが安い理由は、もう一つあります。

袋ラーメンの人気が上昇中な理由とは?

袋ラーメンの人気が上昇中な理由とは

 カップ麺が今のトレンドで、袋ラーメンは下火に・・という流れだったはずが、2020年あたりから変わってきています。

 ステイホームの「巣ごもり消費」に加えて、TBSテレビ「マツコの知らない世界」にて袋ラーメンの魅力が取り上げられ、カップ麺との違いを取り上げています。

POINT

袋麺はカップ麺より麺の小麦粉の量が多めである

 カップはお湯の熱で調理しますが、袋麺はガスコンロなどで強く加熱をします。そのとき、小麦粉が強い熱でモッチリの歯ごたえに仕上がります。

 お手軽なカップ麺より、少し手間をかけた袋ラーメンが美味しく仕上がるとなれば、安くてコスパのよい袋麺を選ぶ方が増えます。

まとめ:袋麺が安い カップ麺が高い理由

 カップ麺が高い理由は、袋麺にはない「カップと包装」にまつわるコストが影響してくるからです。これにより、袋ラーメンの方が断然にコスパが良くなります。