業務スーパーで買っちゃダメな商品がヤバすぎる・・は本当なの?

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業務スーパー 買うな危険!中国産 安全性 冷凍野菜の品質とは

執筆者: 宮城正輝

 業務スーパーはいつでもお買い得な食材が揃っているので、節約したい家庭や一人暮らしの方にもオススメしたい食品が多くあります。ですが、気になるのは業務スーパーの食品は・・

中国産は農薬が混入
しているので危険!

体に悪い・安全性が
ヤバいので買うな!

 こんな注意喚起をしているホームページを見かけることです。そんな業務スーパーにまつわる・・

  • 中国産冷凍食品に使われる農薬の安全性・危険性とは?

  • ブラジル産鶏肉がヤバい問題とは

  • 買っちゃダメ・買うな!の根拠:買わない方がいいもの

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

業務スーパーは危険な食品がある 絶対買ってはいけない?

業務スーパーは危険な食品がある 絶対買ってはいけない?

 業務スーパーの特徴を見ていく前に、このページを訪れる方が検索していること・・

知りたいこと
中国産は買うな!品質がヤバい!

 この理由を特定する必要があります。

 ネットで見かける「業務スーパーは危険!」としているサイトでは、神戸物産を含めた業務用の食品を扱っているスーパーについて、販売している食品に・・

  • 危険な残留農薬が残ったまま売っている

  • ホルモン剤が注射された肉を販売している

  • 必要以上に防腐剤が使われていて危険

 こんなことを理由に「業務スーパーは危ない・絶対買うな!」と注意喚起をしています。

業務スーパー 中国産の品質:ウワサと真実

業務スーパー 中国産の品質:ウワサと真実

 「業務スーパーの中国産は買うな!冷凍野菜は買ってはいけない」などのウワサが本当であるなら・・

  • 食の安全を守る厚生労働省がチェックしていない

  • 業務スーパーが意図的に食品安全ルールに違反している

 これらに該当しているということになります。これが真実なのか、より正確な情報を探して答えを見つけます。

 1:ホルモン剤、2:ブラジル産の鶏肉、3:中国産の冷凍食品 の順に見ていきます。

業務スーパーはホルモン剤を使った肉を販売しているのでヤバイ

ホルモン剤を使った肉を輸入しているのでやばい

 まずはホルモン剤についてです。家畜に与えるホルモン剤に該当するものは複数ありますが、ウワサになっているのは肥育ホルモンであるはずです。

肥育促進を目的に使用される動物用医薬品

 家畜に与えると早く成長する「肥育ホルモンで育てた牛肉が業務スーパーで売られているのでヤバイ!」と言っているのなら、答えは簡単です。

 国内ではあまり話題に出ないですが、海外では肥育ホルモンを家畜に与えて短期間で成長させてエサ代を減らし、出荷サイクルを早めて利益アップを狙います。これを認めている国は・・

肥育ホルモンを認めている国
許可 アメリカ、オーストラリア、
ニュージーランド
禁止 EU、日本

 日本で輸入している牛肉はオージー・ビーフ、アメリカン・ビーフ、NZ牛肉が多くを占めます。US牛にはホルモン剤を使わずに育てた「ホルモンフリー beef」もありますが、とても高価です。

 こちらは業務スーパーで売っている冷凍牛肉。カレー、すき焼きなどに最適です。原産地はオーストラリアとなります。

業務スーパー販売の冷凍牛肉

 この肥育ホルモンで育てた輸入牛肉の販売については 全てのスーパーで普通にあることなので、業務スーパーを限定して「やばい!」と言うのは間違っています。

どうしてホルモン剤で育てた牛肉が流通しているのか?

 厚生労働省では、家畜に肥育ホルモンを与えた食肉の輸入について・・

残留基準を、科学的根拠に基づき定めています。

 食品中に残留する上限値を守っている食品のみ輸入・流通しているとしており、国内では安全性を確認できる体制が整っています。

肥育ホルモンなしの牛肉を食べたい

肥育ホルモンなしの牛肉を食べたい

 安全であることが確認できたとしても、やはり肥育ホルモンを使用していない牛肉を食べたいはずです。それなら、使用が禁止されている国の牛肉を選びます。つまり・・

肥育ホルモンなし
日本で育った牛:国産牛肉を選びます

 日本では国内で飼育する牛への肥育ホルモンは使用されません(医薬品、飼料添加物として認可されていません)。

 業務スーパーでは国産の冷凍牛肉も品揃えしているので、品質表示をチェックして国産の牛肉を購入できます。

ブラジル産鶏肉の食肉不正問題

業務スーパー販売のブラジル産の冷凍鶏肉

 業務スーパーは海外から品質の良い低価格の食品を輸入しています。特にコストパフォーマンスに優れる冷凍鶏肉は人気があります。

 ちょうど業務スーパーにて ブラジル産の鶏肉の価格がとても安くなって話題になった2017年頃、ブラジルで食肉不正問題が発覚しました。

食肉不正問題
腐った鶏肉がバレないように、発がん性のある化学物質を混ぜて販売

ブラジル 発ガン性物質入り鶏肉 賞味期限切れ鶏肉を日本に輸出?

 このときブラジル政府は、問題のある工場へ輸出禁止を命じました。

 日本をはじめとする輸入国は、すぐにブラジル産食肉の輸入を停止しました。厚生労働省によると・・

ブラジル国内の 21 の処理・加工・製造施設が捜査対象とされました。

このうち3施設については操業停止措置がとられ、他の 18 施設については
ブラジル農務省の特別検査の対象となり、出荷停止措置がとられました。

 このニュースを知った方が業務スーパーで冷凍鶏肉を手に取ったとき・・

ブラジル産 = ヤバい!買わない方がいい

 こんな連想をしたのかもしれません。

ブラジル鶏肉輸出の現状 見通し|農畜産業振興機構

 この食肉不正問題が発覚した工場はブラジル全体の1%ほどであったとされています。

冷凍食品(中国産)の商品がヤバすぎるのか?

業務スーパーの中国産 冷凍野菜(ほうれん草)

 もう1つ、こちらもかなり話題になった中国から輸入された冷凍食品:ほうれん草に基準値の6倍の農薬(クロルピリホス)が検出された問題です。2002年から2003年あたりに複数回の報道がありました。

中国産冷凍野菜の残留農薬が検出|ほうれん草とオクラ

 その時には直ちに輸入自粛措置がとられ、2年後に中国側の安全確認体制の改善状況の調査結果を経て輸入が再開されています。

中国産の冷凍食品:ほうれん草が輸入再開される

中国産の冷凍食品:ほうれん草が輸入再開される

 輸入再開の際に農林水産省では・・

厚生労働省 担当官が中国入り、現地農場、加工工場、検査施設の確認

 現地へ赴いて現場を確認・指導をし、後に合意のもとで輸入自粛を解禁しています。

輸入した冷凍食品:中国産だけの問題ではない

輸入した冷凍食品:中国産だけの問題ではない

 中国産ほうれん草問題のときには、基準値が0.01ppmなのに6倍の0.06ppmが検出されたのですが、このような基準値オーバーの事例は中国産の冷凍食品だけではありません。

厚生労働省 残留農薬の検査結果

 厚生労働省の調査レポート(令和2年):「食品中の残留農薬等検査結果」を見ると、国産の食品と輸入食品312万件の検査をした結果はこうなりました。

令和2年度 食品中の残留農薬等検査結果
残留農薬検出 基準値超過数
国産 0.25% 0.0004%
輸入 0.41% 0.0009%

 残留農薬は 輸入食品を100とすると国産は61%ほど検出されており、基準値オーバーの件数は輸入食品に対して国産は3割ほど見つかりました。これを見ると・・

残留農薬の検出数
輸入食品は問題ありだが国産食品は問題なし

 とは言い切れない数値になっています。

 業務スーパーの「中国産の冷凍食品はヤバい!」という話のはずが、「国内の野菜も変わらず」となってしまうと野菜がすべて買えなくなってしまいます。

残留農薬が基準値オーバーでも残留レベルは低い からくり

残留農薬が基準値オーバーでも残留レベルは低い からくり

 国産・輸入食品のどちらも残留農薬の基準値オーバーがある問題ですが、これにはちょっとしたカラクリがあります。先の厚生労働省のレポートには、まとめの文章があります。そこには・・

本集計結果から、基準値超過の割合はいずれも低く、我が国で流通している食品における農薬等の残留レベルは十分に低いものと考えられる。

 このようにまとめています。

 つまり、国内で売っている食品の残留農薬は「問題ないレベルなので安心できます」と言っています。それはナゼなのか・・

農薬をできるだけ減らしつつ効果を得るには

農薬をできるだけ減らしつつ効果を得るには

 残留農薬は全く検出されない結果ならベストなのですが、残留させないように薄めすぎると薬の効果も減少するので収穫量に影響が出てしまいます。

 そんなことから、農薬をできる限り薄くしながらも「ギリギリ効果あり」とするバランスのよい数値(濃度)が決められており、その上限が・・

農薬取締法に基づく基準値です

 この基準値を調べてみると、あることが分かります。

クロルピリホス基準値を比較して分かること

クロルピリホス基準値|厚生労働省

 スーパーでよく目にする野菜に広く使われている農薬:クロルピリホス基準値はこのようになっています(農薬と野菜の一覧が厚生労働省のサイトで確認できます)。

クロルピリホス基準値
  • ほうれん草 → 0.01ppm

  • 玄米 → 0.1ppm

  • レタス → 0.1ppm

  • はくさい → 1ppm

  • ケール → 1ppm

 よく見てほしいポイントは、野菜の種類により基準値が違っているところです。「ほうれん草の農薬問題」で基準値オーバーになった0.06ppmがそれぞれの野菜で検出されたら・・

0.06ppmが検出されると
  • ほうれん草 → アウト

  • 玄米 → 安全

  • レタス → 安全

  • はくさい → 安全

  • ケール → 安全

 こうなります。ほうれん草がアウトになった0.06ppmのさらに10倍の濃度でも、はくさい・ケール(青汁にメインで使われる野菜)は安全ラインです。

 この残留農薬の基準値のカラクリを無視して ほうれん草の基準:0.01ppm以上あったら危険と判断してしまうと、あらゆる野菜が買えなくなります。

厚生労働省の見解
農薬等の残留レベルは低い

 というのは、ひどく高い数値は確認されておらず、国産133万件のうち基準値オーバーとなった47件については「割合が少ない」と見ていることが分かります。

業務スーパー絶対買ってはいけないは本当か?

業務スーパー絶対買ってはいけないは本当か?

 ここまで調べた結果で結論を出す前に、もう一つ確認すべきことが残っています。

 ネットでGoogle検索するとき、文字の入力を補助してくれるワードが出ますが、そのよく検索される言葉:トレンドに出てくるのは・・

買うな危険!の検索ワード
  • 業務スーパーで買っちゃダメ

  • 業務スーパー買ってはいけない

 こんなネガティブな言葉が出てくるので不安になります。

 なぜ「買ってはいけない」がトレンドなのか?どんな失敗談があるのか調べる必要があります。

安くても品質が低いなら買ってはいけない

 業務スーパーがやばいとするSNS:Xの投稿を見ていきます。

 絶対に買ってはいけない理由は「形が整っていない」としています。

 食べた感想は「味は悪くない」であり、飲食店で使用する業務用のお買い得ブレンド米としては、特に問題があるようには見えません。

 とろけるチーズが無いので「チーズブレンド」を購入。チーズのつもりで使用すると失敗に気がつきます。

 「ニセモノなので買ってはいけない」と言っていますが、これは本人が品質表示を見ないで買った失敗談だといえます。業務スーパーはウソをついてるわけではありません。

 この方の買ってはいけない理由は、美味しすぎて食べ過ぎることが問題であると言っています。

 こちらも同様です「買ってはいけない → おいしくて食べすぎる → 止まらない!」が理由です。

 業務スーパーで「買うな、買ってはいけない」というネガティブツイートをチェックしているはずなのに、品質・コスパに満足しているポジティブコメントを何度となく見かけます。

ネットで言われる業務スーパーで買ってはいけない理由

ネットで言われる業務スーパーで買ってはいけない理由

 紹介したツイート以外にも、ネット、ブログなど「買ってはいけない理由」を探し続けて分かったことは・・

「有毒、危険物の混入、腐っているので買うな!」ではありません

 「買ってはいけない」と語気を強めて注意を促しているように見えますが、実際のところはネタを大げさにアピールしたいだけです。その真意はこうなっています。

買ってはいけない理由
  • 私の口に合わなかった

  • 品質表示を見ずに買って間違った

  • BIGサイズすぎてやばい

  • 食べ過ぎで太ってしまう

 これが答えです。

 ネットでよくある「○○の結果がヤバすぎた!」というタイトルですが実はたいした内容ではなく、キャッチーなワードで再生数アップを狙いたいやり口と同じです。

 では、ここまで見てきた「業務スーパー 買うな危険!」について調べたことをまとめます。

日本は食品安全基準が高い国である:業務スーパーの品質

日本は食品安全基準が高い 冷凍野菜の残留農薬の問題

 国内では食肉の衛生管理、冷凍野菜の残留農薬の問題は常に重要視されています。

 そんな中で、業務スーパーだけ食品安全基準を守らずに販売していることはあり得ません。日本国内で販売される食品は・・

POINT食品衛生基準輸入食品監視(検疫所:食品監視窓口)をクリアしている

 これが前提にあります。

 つまり、業務スーパーも国内で輸入食品を販売することが許可されており、検疫を通過した食品を提供しています。

業務スーパーで買ってはいけない?の結論

業務スーパーで買ってはいけない?の結論

 ここまで見てきて分かることは、業務スーパーで売っている肉・冷凍野菜・卵などに・・

残留農薬・危険な化学薬品が混入して危ない!

 このような いい加減な話を真に受けてはいけません。日本のスーパーチェーン店において、食品衛生基準を守らずに危険な食品を売り続けることは困難です。

 業務スーパーは すでに国内940店舗以上の巨大フランチャイズチェーンです。ヤバい防腐剤やら農薬まみれの食品を仕入れて・・

業務スーパーは
ダマして儲けている

 このようなネットのウワサは、あまりにもナンセンスです。

安全安心への取り組み:専門スタッフによる厳正な検査

業務スーパー 品質安全検査

 先に説明したように、輸入される食品は厚生労働省や農林水産省の検査をパスしないと国内で流通することはできません。業務スーパーでは、行政指導による各種検査をクリアした食品だけを提供しています。

 まずは食品衛生検査です。食品の安全を守るためには重要な検査です。

  • 遺伝子組み換え食品の使用の有無

  • 保存料や着色料等の添加物

  • 抗生物質の残留

  • アフラトキシン・その他のカビ毒

  • 基準外の放射線照射の有無

 そして、食肉・ソーセージ、野菜・果実類をチェックするこの検査があります。

業務スーパーが実施している・検査・検疫
検査内容 必要な
検査証明書
動物検疫 食肉 ハム等から伝染病の侵入を防ぐ 輸出国政府機関の検査証明書
植物防疫 穀類・野菜の病害虫の侵入・まん延を防ぐ 輸出国政府機関の検査証明書

 この検査をパスした商品をさらに商品ごとに基準を設定して 独自検査を実施しています。

 輸入した食品すべてをランダムに抽出して、微生物検査・理化学検査・官能検査を実施しています。これらの検査を行うスタッフは検査精度チェックの訓練を受けています。

業務スーパーは中国産以外の商品も豊富である 国産も安い理由

業務スーパーの中国産以外の安全な野菜、肉、飲料

 では ここから本題です。

 業務スーパーが海外から農薬まみれ、腐っている「ヤバい食品」を仕入れていないのなら、なぜ安く商品を提供できるのかについてです。続きはこちらのページにまとめています。

 探している方が多い「業務スーパーの通販はないの?」についてはこちら。

まとめ:業務スーパーの中国産を買ってはいけない?

 業務スーパーで買っちゃダメな商品がヤバすぎると、ネットで騒がれることがあります。正しく検証した事例なのか、または適当なウワサ話なのか事前に確認することが大事になります。