ネットショップの送料無料サービスがないと「高い」イメージがする

現金1万円札、千円札を並べている。合計金額は7万5000円

 ネットショップを利用するとき、買いたい商品をカートに入れて「購入」ボタンをポチッとして・・住所、氏名を入力して最終の合計金額を見たら、予想していなかった「送料 680円」が記載されていると・・

ボッタクリかっ!

 と言いながら、購入をキャンセルする事があるはずです。

 ネットショップを使い慣れると「送料無料」で商品を発送してくれるショップを良心的に感じるので、送料が上乗せされると高い税金を請求されているようでイヤになります。このネットショップの送料無料にまつわる・・

  • なぜ「送料無料」にこだわるのか

  • 送料無料を実現できる仕組み:からくり

  • ネットショップが利益を出せる理由とは

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

送料無料の仕組み:からくりとは

楽天の送料無料が問題でamazonの送料無料は問題ではない件

 まず、前提として「送料無料」とは、ネットショップが運送業者に配送の料金を支払っていないという意味ではありません。「送料無料」にて発送する商品の運送については・・

ネットショップ側が運送業者へ送料を払います

 つまり、大手のテレビショッピングでおなじみの・・

送料は当社が負担します!

 このセリフに秘密のからくりは本当になくて、ネットショップ側が送料無料で発送する商品の運送料金を負担しています。

どうして送料を無料にすることができるのか

送料無料

 送料を「当社が負担」して赤字となって倒産しては意味がないので、商品の価格をうまく調整して最終的な利益が出るようにコントロールします。

商品の価格は「送料コミ」で決めている

 ネットで商品を売るときには、送料が別途必要なショッピング = 「高い」、送料無料のショッピング = 「安い」というイメージが定着しているので、送料が無料として売るスタイルの「値段のつけ方」がポイントになります。

商品の価格に含まれるもの
商品の仕入れ値ネットの運営コスト運送業者の配送費用

 商品の価格には、これだけを含める必要があります。「仕入れ値」「運営費」「配送料」この3つを含めながらも、他のお店より安く販売することを目指します。分かりやすく表にしてみます。

送料無料にて提供する商品の例

 分かりやすく1つの商品の価格と、その内訳の金額の例を見てみます。

送料無料(含む場合)の内訳(単価2,000円の商品の場合)
商品の価格商品原価運営コスト配送料利益
2,000円1,400円100円300円200円

 この例では、2,000円の商品を送料無料で提供し、200円の利益が出ています。運営コストとは、巨大倉庫で商品を管理する・・

POINT
  • 土地

  • 建物

  • 管理スタッフ

  • ネット設備

 これらのレンタル・給与・購入・メンテナンスなどにかかる費用です。

同じ商品を送料別で販売した場合

 次は上と同じ商品を送料別で売ったときです。

送料別(含まない場合)の内訳(単価2,000円の商品の場合)
商品の価格商品原価運営コスト配送料利益
2,000円1,400円100円0円500円

 商品の価格は2,000円で同じですが、別途 送料の300円を追加で請求します。つまり購入する側は、送料を含めて合計額2,300円を払います。

 このように、送料を別にすると商品の価格:2,000円の中に送料300円を含めなくてよいので、結果的にショップ側の利益は、200円 → 500円と2倍以上にアップしました。

送料が上乗せされると購入をキャンセルする

 冒頭でも触れたように送料無料のネットショップに慣れている客は多いため、支払い内容を確認する画面で送料が上乗せされると「不当に手数料を取られている」と感じて購入をキャンセルする人が出てしまいます。

利益が2倍以上だが、購入者は5分の1になる

 利益が2倍あっても20%しか売れないとき、利益を合計してみると減っている計算になります。これではまずいので・・

1つの利益は小 x 大量に売る = 利益合計がアップ

 この薄利多売のスタイルを選びます。

 ネット通販のおきまりAmazon、ベルメゾンなどのネットショップ、スーパーの買い物が自宅にいながらできるネットスーパーも「○○円以上なら送料無料」を設定して安さをアピールします。

安売りで儲ける商売の基本:薄利多売とは?

薄利多売とは?

 大手のネットショップが 送料無料で提供できるのは、爆発的な販売数を狙っているからです。

薄利多売で利益を出すには
商品1つの利益売れた数最終利益
送料無料200円10020,000円
送料300円500円2010,000円

 このように、送料無料で100個販売すると 1個200円しか儲けがないのに、20,000円の利益が出せます。それに対して利益500円を狙って「送料:300円」を上乗せで売ると 20個しか売れず、利益は10,000円。儲けは半分になってしまいます。

送料無料で大量に売る薄利多売とは?

薄利多売でも儲かる理由

 Amazonなどのネットショップは、商品を保管する巨大倉庫を完備しており、人件費・サイトの運営費は毎月決まった額(固定費)です。つまり、売れても・売れなくても出ていくお金は決まっています。それなら・・

「送料無料」で満足度を高めて、ガンガン売りまくります

 「送料無料で1つの利益少ない → でも売上5倍 → トータルの利益は2倍以上に!」この流れが予想できるので、大量仕入れ・大量販売を繰り返します。これが薄利多売の仕組みとなります。

 そして、もう一つのメリットは、ブログ・ツイッターで・・

送料コミ980円でゲットできました!

 のような情報を発信するインフルエンサーがいるので、送料無料で安い商品を提供しているだけで 口コミ効果でどんどん売り上げアップとなります。

 このサイクルで売れるのなら・・広告を出すお金(経費)は不要になり、さらに「送料無料でしかも安い!」という「ギリギリ値下げ」を続けることが出来ます。

3,000円以上を送料無料に設定する理由

 送料無料として商品を販売するときに問題になるのが、商品の中に含めた送料が利益を超えてしまうことです。例えば、1,000円の商品を送料無料で売りますが、実際は300円の送料が必要なときです。

1,000円の商品で送料が300円かかるとき
利益含める送料販売時の利益
200円300円-100円(赤字)

 送料無料としているので、配送料300円を商品の価格で負担する必要があります。上の例では、まずいことに100円の赤字です。

 売れば売るほど赤字が広がってしまい、これを続けるといつか倒産してしまいます。そこで考えたのが「3,000円以上送料無料」です。複数の商品を買い物カゴへいれていき、トータルで3,000円以上買ったら送料を無料とします。

3,000円の商品で送料が300円かかるとき
利益含める送料販売時の利益
600円300円300円(儲け)

 商品を3倍の3,000円まで増やすと、商品の利益が600円となるので「送料無料で売っても300円の儲け」となります。

 これなら、沢山売れると儲けが増えていきます。

いくら購入以上で送料無料にするか

高島屋の送料無料商品

 「送料無料にする購入総額」を決めるとき指標とするのが「客単価」です。「客単価」はレジで会計するときの「一人で購入する金額」の平均です。

 「客単価」はお店によって大きく変わります。500円の商品が多いファンシーショップなら1,500円あたりに。ファッション・貴金属を売っているお店なら5,000円のような感じです。この金額を参考にして・・

POINT
  • 「客単価」が1,800円 → 2,500円以上で送料無料に設定

  • 「客単価」が2,600円 → 4,000円以上で送料無料に設定

 このように、あと商品を2つ買ってくれたら「送料無料」になるくらいの金額を設定します。ギフトの品揃えが豊富な高島屋オンラインストアでは・・

日本全国送料無料商品 > 予算から選ぶ

・~2,999円まで
・3,000円~3,999円まで
・4,000円~5,999円まで

 金額別に送料無料商品をまとめて確認できますが、最も安いギフトは税込2,750円からあります。全国どこにでも無料で届けてくれるので「良い商品が安く買えた」という好印象になります。

ユニクロ・ベルメゾンの送料無料はいくらから?

uniqloのロゴ

 例えば、人気のユニクロネットショップでは・・

1回のご注文で商品代金合計が4,990円以上の場合は、送料無料です。

 4,990円以上で送料無料としています。ただし4,990円に満たなかったとしても、近くの「ユニクロ店舗で受け取り」にすると送料無料となります。

ネット注文店舗受け取りがお勧め

 そして、ファッションアイテムや家具・食料品なども扱っているベルメゾンでは・・

5,000円(税込)以上のご注文で送料が無料

当日中の追加注文も送料無料

 やはり5,000円(税込)を送料無料のラインに設定しています。

 ただし、配送先が複数になったり、家具など大型の配送となる場合には、5000円送料無料の対象外となります。

楽天市場の送料無料サービス「39ショップ」とは

楽天市場の送料無料サービス

 送料無料になる基準が・・「8,000円以上、3,000円以上」のようにバラバラだった楽天市場ですが、新たに39ショップのルールが導入されました。

同一の対応ショップで同一注文・同一配送先へのお買い物合計額が3,980円(税込)以上の時に送料無料になります。

 これで分かりやすくなったかと思われたのですが、まだ規定外となる条件があります。

  • 全てのショップではなく39ショップのみ

  • 複数ショップで合計3,980円以上はダメ

  • 沖縄・離島・一部地域は9,800円以上に

 楽天市場のショップを買い回って合計3,980円以上ではなく、複数のショップで買いたい商品があったときは、楽天市場内の・・

それぞれの39ショップで3,980円以上を購入する

 この条件にしないと送料無料にはなりません。

ネット通販「送料ゼロ」の裏事情

 以前よりは利用しやすくなったとも言えますが、ルール適用の「39ショップ」なのか?別のショップの商品であるのか?など、うっかりミスしないようにチェックする必要があります。

送料無料のラインまで到達してないなら後回しに

 Amazonでは2,000円以上で送料無料としています。他のネットショップよりも設定金額が低いので助かります。さらに・・

Amazonプライム会員、Prime Student会員は、配送オプションにかかわらず配送料無料です。

 動画や音楽配信サービスなどがパックになったAmazonプライム会員(年間プランは税込4,900円)になると、金額にかかわらず送料無料が適用となります。

 買いたいものを合計しても送料無料のボーダーラインに届かないなら、無理に買わずに我慢すべきです。Amazonには情報を書き留めておく「ほしい物リスト」があります。

 そして、次に買いたい物がある時にまとめてカートに入れて送料無料のラインをクリアします。または、もしかしたら数日後には・・

別に買わなくてもいいかも?

 となっていて、お金を節約できるかもしれません。

送料全国一律料金のショップと比較する

日本円の千円札、1万円札、500円、50円硬貨

 商品の販売価格に送料を含めて送料無料とするやり方とは別に、人気の方法があります。それが・・

送料全国一律です

 このルールがどのように違うのか表にします。送料一律で300円に設定しているショップと、送料を商品代金に含めてから「送料無料」を設定している場合です。

送料無料と送料全国一律の商品の違い
価格利益含む送料追加送料商品+送料
送料無料2,300円200円300円0円2,300円
送料一律2,000円200円0円300円2,300円

 この場合、送料無料(送料含む)で提供しても 商品+全国一律料金として設定した300円を加えると販売価格は一緒です(実際のところは大手ショップの送料無料の販売価格が安くなる場合がほとんどです)。

送料全国一律は利便性を優先している

1万円札の表向き札束と裏向き札束を並べている

 ここで、送料全国一律の内容を見てみます。例えば、ネットショップの住所が関東であるとき・・

POINT
  • 関西へ配送 → 300円

  • 北海道へ配送 → 700円

  • 沖縄へ配送 → 900円

 この配送料金が必要になっていたとしても・・

POINT送料全国一律480円のルールで営業します

 利用するお客さんは関東・中部・関西あたりの「配送300円以内の地域」が圧倒的に多いので、発送に480円以上かかってしまう北海道・沖縄地域が赤字であっても、全ての送料をトータルすると問題ない範囲に収まります。

送料が分かりやすいメリットがある

送料が分かりやすいメリットがある

 送料が赤字の地域を含めて送料全国一律料金を設定するのは・・

分かりやすいからです

 地域ごとに送料がゴチャゴチャ書かれていると、自分の住んでいる地域の送料を調べて商品の金額と合計して・・という計算が面倒なので客が離れていきます。そのため・・

選んだ商品 + 送料に480円

 このようにパッと支払額がイメージできるように「全国一律になる送料」を設定します。

送料を調べるのが面倒である

現金8万4218円。1万円紙幣の表と100円硬貨の表など

 離島へ商品を届けるには高額の送料が必要になります。そんなことから、送料無料・または送料全国一律サービスでは無理だと判断することがあります。

離島地域は送料無料の対象外に

 離島の住人限定のあるあるですが・・「全国送料無料」と表示しながらも断り書きで「離島地域は対象外となります」と書かれていると不安になります。

どこの島からダメなの?

 これを調べるのは面倒くさいので 意欲が減退します。

 やはり、送料無料に対象外の文字がゴチャゴチャ書かれているなら そのお店をスルーして大手ショップで「購入」ボタンを押すべきです。

まとめ:送料無料 仕組み 理由 ベルメゾン ショッピング|2021年版

配送ドライバーになるとどうなるか

 ネットショップとして大人気のAmazonでは、配送業務を依頼しているヤマト運輸と かなり安い料金で契約しています。そのため、最安値の価格設定でありながら「送料無料」が実現できています。

POINT送料無料にまつわる参考になる論文

 ただ、Amazonからの発注が多すぎて運送業ドライバーの負担が高すぎることが問題視されるようになりました。再配達の負担を減らすための「宅配ボックス」を設置する取り組みも広がっています。

タイトルとURLをコピーしました