ヨーロッパやアメリカを旅行するなら、前もってチップ(Tip)の文化を知っておく必要があります。まず現地に着いたら・・
これをやっておきます。
これを忘れたままホテルへ到着すると「常識知らず」の気まずい感じになるからです。このチップを払う習慣にまつわる・・
何故 めんどくさいチップ(Tip)の習慣があるのか
アメリカでの相場 平均のチップ金額はどれくらい
チップを払いたくない旅行のスタイルとは
これらの疑問について分かりやすく見ていきます。
払わないとダメ?チップとは何なのか
チップ(Tip)とは、サービスを受けたときに、指定したサービス(または商品)を購入する代金とは別に、お店のスタッフに感謝の気持ちを表すために支払う「心付けのお金」です。
「仕事ぶりに感謝して・・」という建前にはなっているものの、実際のところは 必ず払うべきお金となっています。
このように思われてしまいます。
払う理由:チップが収入源のスタッフは給料が安い
アメリカなどでは、ウェイター、ウェイトレスが勤務中にチップをゲットできる事を想定して、かなり安い時給を設定して働かせています。
欧米では、チップを頂けるサービス業の給料は低く設定されています。これは時間給にプラスしてチップを頂くことを前提にしているからであり、このチップ込みの給与に納得して働きます。
そのため、お客さんがチップを出してくれないと・・
チップを頂く文化のある国では、チップの収入がないと給料が安すぎて 生きていけないのです。このような労働システムができあがっているので、お客さん側もそれに従う必要があります。
チップで得たお金は確定申告して所得税の対象となる
チップで頂いたお金は仕事の報酬として手に入れたお金となるので、会社側から頂く給与と同じく「仕事で獲得した報酬」として、確定申告の対象となります。
チップで頂いたお金を集めて そのお金から税金を払っているので、チップを頂けるルールで働いているスタッフへチップを渡すのは「当然のルール」であることが分かります。
チップを与える習慣のある国はどこ?
チップを必ず渡す必要があるのなら、旅行に行く前の段階で「チップを準備する国」であるか知っておく必要があります。
観光地として人気の国では、これらの国にチップの習慣があります。
ヨーロッパ
・フランス
・ドイツ
・スペイン
・チェコ共和国
・ハンガリー
・アイルランド
・ポルトガル
・イギリス
アメリカ大陸
・アメリカ
・メキシコ
・ニカラグア
・アルゼンチン
・ペルー
アジア
・カンボジア
・タイ
・ベトナム
・インドネシア
・マレーシア
注意したいのは、食事などのレシートの支払いとは別にスタッフへ渡したり、食事の金額+チップの金額をまとめてレシートに記載するタイプのお店があったりします。
同じ国でも店のジャンルが違えばチップの払い方が異なることがあるので、現地の旅行ガイドに聞いたり、ネットで事前にチェックしておく必要があります。
ホテルでのチップ:平均いくらくらいが相場?
チップで渡すべき基本となる金額は、ある程度の相場が決まっています。
ハリウッドスターなどセレブがお店に来て破格のチップを渡すとネットで話題になることもありますが、一般の観光客であるなら「仕事の内容・お店のランク」で ほぼ決まっている相場に従います。
ホテルで支払うチップの相場 アメリカの一般的なホテルの場合 | ||
ルームサービス | ベッドメイキング | ドアマンがタクシーを手配 |
2$~5$ | 2$~5$ | 1$~2$ |
レストランで食事をした場合 |
食事の会計の金額から計算して15%程度。高級店は20% |
お酒を提供するお店:バーカウンターの場合 |
ドリンク1杯のオーダーにつき1$ |
タクシーに乗車した場合 |
「お釣りは取っといて」と言う。少ない時は10%を上乗せ |
美術館・博物館などでサービスを受ける |
1$~3$ |
この他にも、スパ・マッサージのスタッフ、ヘアカットをした時の担当者にも(それぞれに)感謝の気持ちを込めてチップを渡すべきです。
チップがレシートの合計額に含まれるケース
旅行する際には、お札を持たずにクレジットカードで買い物、食事の代金などを支払うことが多いはずです。そのため、カード決済でもチップを支払うことができるようになっています。
「Check please」と言えば、食事代金の明細が書かれたレシートを持ってくるので、食事の代金や消費税合計金額をチェックします。その時に・・
これがないのであれば、レシートに記載の食事の代金 + チップ を追加して支払います。
もしくは明細にチップの項目があり、すでに合計金額へ含まれていることもあります。その場合にはレシートに記載の合計額のみを支払います。店ごとにルールがあるので間違えないようにチェックする必要があります。
チップの金額によってサービスの質を評価する
チップには、お店(料理)を評価するという意味もあります。
レストランの食事の満足度をチップの金額で示す | ||
サービスの質が悪い | 普通である | 満足度が高い |
10% | 15% | 20% |
カード払いの時には、そのチップの支払いの欄に希望のチップの金額を書き込みます。食事代金の10分の1の金額よりも少し高めの「きりの良い数字」をチップの金額として書き込みます。
二人で食事をしたときにに「とても満足した」と感じるなら、20$の食事なら5$・40$の食事になっているなら10$を基準に上乗せすると、全体の20%あたりのチップとなるはずです。
チップが不要:払いたくない・払わないでよい店
ホテルでサービスを受けるときには、以下のスタッフにはチップを渡す必要があります。
ベルマン(ベルボーイ、ベルガール)
ドアマン
ウェイター
ウェイトレス
ホテルのスタッフであっても、このスタッフにはチップは必要ありません。
また、このお店・スタッフにはチップは不要です。
ファーストフード店
ファッションショップの店員
食料品を売っているお店の店員
レンタカーを手配している窓口のスタッフ
この違いは、多くの人に同じようなサービスを提供しているスタッフであるかどうかです。
自分の都合で困った時にスタッフを呼び、やってほしい仕事をオーダーして、完了した時にチップを渡します。「自分のためにやってくれてありがとう」という気持ちをチップで表現すると考えると、分かりやすくなります。
めんどくさい習慣:事前に1$札を何枚も準備する
海外に到着したら、まずはお金を両替しますが、1ドル札(100円前後の価値)に近い現地通貨のお札を複数枚 所持しておくようにします。
VISA・MasterCardのクレジットカードであれば、空港近くに設置しているクレジットカードが使える専用ATMでキャッシングが利用できるはずです。
海外旅行をする時にはどこのお店もカード払いを好むため、クレジットカードの出番が多くなります。しかし、チップのすべてをカード払いで対応できないので、チップ用のお札を何枚も持っておく必要があります。
日本にチップの習慣がない理由とは
欧米諸国のサービス業の給与の常識は、スタッフがチップを頂く事を前提に調整しています。では、日本ではどうなのか?
日本ではお客さんにサービスを評価してもらいチップで給料を受け取る考え方はなく、最初から月給(または時給計算)の報酬を頂くはずなので、チップなし → 生活が困窮するスタッフはいません。
それでも、海外の観光客は「心付けのお金」として・・
ホテルのベッドメイキングに感謝して、枕の下に
レストランの接客と料理を評価して、代金を多めに置いていく
こんな方がいます。
しかし、日本では「お客さんの忘れ物」「会計を間違えた」と勘違いして、お客さんを追いかけてチップのお金を返しに行くスタッフもいます。
日本にチップの考えがない理由:階級の意識がない
本来、チップは目上の人が下の人に「施し」をする意味もありました。そのため階級が上の人がいる国の文化が「チップを与える習慣」を作りました。
その点から考えると、日本では生まれた家系からくる階級を意識しない文化になってから長いので、お金を施すという習慣が定着していません。
海外では、日本の文化を紹介する旅行者向けDVDに「日本ではチップを与えないように」という内容も収められています。これは・・
日本は「施し」がなくても最高のおもてなしをする文化
十分な報酬を雇用主が払っているために気遣いは不要
このような内容の教材になっています。
まとめ:海外 チップの金額 相場 平均 アメリカ 払わない
ただ、海外の観光地では「日本人の観光客はチップが多い」と言われる傾向があり、必要以上にチップを与えすぎているので・・
これまでの日本人はもっとチップを多くくれた
と言って、追加のチップを請求されることも多々あります。
チップを渡す常識と同じように、現地の一般的なチップの相場も知っておく必要があります。