貝貨(貝のお金)なぜ昔は貝殻を貨幣にしたのか?価値と歴史

 私たちの財産の指標としている「お金」は、高い技術力で製造される紙幣と硬貨を使用していますが、鋳造の技術がなかった昔には・・

貝をお金の代わりに使っていました

 「貝がお金」であるなら、海辺で貝を探して大金持ちになる「不正ができるのでは?」と考えてしまいます。この貝貨(貝のお金)にまつわる・・

  • 貝貨(貝のお金)の価値とは
  • 貨幣として経済が安定していた理由
  • キイロダカラ、ハナビラダカラとは

 金属の「硬貨」が作れなかった時代の知恵について、分かりやすく見ていきます。

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貝をお金の代わりとして使う

 昔の時代には、お互いに必要なものを「物々交換」することで互いに利益になる事が分かっていましたが、いくつもの困難がありました。

POINT

  • 必要な物を互いに交換したい相手を探す手間
  • 重い物を長距離移動する方法
  • 腐る食べ物を急いで交換しなければならない

 このような問題を解消するためには、物々交換では難しいので・・

物と同じ価値のある「お金」に交換すべき

 この必要があることが分かってきました。

 しかし、現在のような貨幣を鋳造する技術が無かった時代には、何かをお金の代わりとする必要がありました。その時に利用できる物の中で最も適するものが「貝」でした。その理由はこのようになります。

貝が最も適していた理由とは

 お金として使えるものを探すときには、このような条件をクリアできる必要がありました。

  • その物自体に価値がありお金の代わりとなる
  • 長期的に保存でき形が変わらない
  • 大量に作り出す事ができない
  • 大きさやデザインが同じ物を多く用意できる
  • 誰が見ても価値が分かる物である

 型枠を使用して同じ物を量産することができなかった時代において、似たような形でありながら長期保存が可能な物は限られていました。変色や変質、破損したりしない物として最も適する物となると「貝」が有力となったのです。

 貝のように、お金の代わりになる物を使用することを「物品貨幣」と言います。

キイロダカラ、ハナビラダカラが貨幣として使われた

出典:ウィキペディア キイロダカラ

 インド・ネパールなどでは、割と最近まで「貝」がお金として使われていました(貝貨:ばいかと言う)。利用されたのは「タカラガイ」の2種類であり、「キイロダカラ」、「ハナビラダカラ」が使われました。

POINT

古代の中国では、タカラガイを東南アジアから入手して貝貨とした

 貝貨が使われていた地域は、日本だけでなくオセアニア、東南アジア、中国、アフリカ、ヨーロッパ諸国などにも及びます。

海で貝を確保すると大金持ちに

 貝は、海辺を探索してるといくつも見つかることが分かっているため、貝をお金として使えるのであれば、海辺で探索することで大金持ちになるはずです。

 しかし、そのような事は昔の人達も当然分かっており、貝を拾ってきても不正ができない特別な理由があったのです。

POINT

  • 貨幣として使用する貝は年代物の価値のある物である
  • 住んでいる地域では摂れない種類の貝である
  • 貝に特別な加工を施していた

 貝をお金として使うためには、どこの海辺でも見つかるような「大量に存在する貝」は向きません。そのため、希少価値の高い見つけにくいタイプの貝が使われたり、100年以上昔の貝のみをお金として使うなどの知恵がありました。

古代の中国で使われていた

 昔は、希少価値がある物はお金と同等に取引が可能であり、お米や塩がお金の代わりになったり、特定の動物の骨を切り抜いて通貨として使用している地域などもありました。

食べ物や動物の骨をお金の代わりとして使う事もあった

 重要なのは、お金と交換するだけの価値のある物であることです。装飾品として価値の高かった貝は食料品と交換するには適しており、遠い地域の人々でも同じ価値観が共有できていたため、お金の代わりとしてはベストでした。

お金にまつわる漢字:買 貯 財 資 貸 貿 貧

 中国においては昔から貝をお金の代わりとして使っていた歴史がある事から、日本においてもお金を意味する漢字に貝が使われています。

  • 買 商品を買う時に貝を使っていた
  • 貯 食料品など価値のある物を蓄えるとき
  • 財 お金とお金の代わりになるものなど
  • 資 お金と同様に利用価値のある物
  • 貸 価値ある物を一時的に渡す事
  • 貿 お金に換えて別の地域で物を買う
  • 貧 お金を分けてしまうと残らない

 このように、現代においても財産や資金などお金にまつわる文章を書くときには、貝の漢字を多用しています。貝の文字はお金を意味する言葉である事は、外国の言葉でもいくつもあります。

英語の名称にもお金(Money)が入っている

 お金の代わりとして流通できるほど価値のある貝には、英語の名称、または学名にも貨幣を意味する言葉が入っています。

貝貨として使われた貝の英名
和名英名
キイロダカラMoney cowry
ハナビラダカラringed money cowry

 このように、貝をお金の代わりとして利用していた中国や日本、東南アジア諸国だけでなく、ヨーロッパにおいてもお金の代わりとして見ていたことが分かります。

最近まで貝がお金として使われていた

 世界に目を向けると、貝をお金として使っている民族は すでにごく少数となっています。そんな中、つい最近まで貝を利用していた民族の場合には 深海で採取できる貴重な貝のみを貨幣として使っていました。

希少価値の高い深海で採取した貝だけを利用

 入手性が困難な年代物の貝に綺麗な装飾を施すことにより、誰もが簡単に作ることができない価値を与えて 貨幣の価値を維持していました。

日本においての最初の鋳造貨幣は「和同開珎」

 技術が進歩してくると、貝のように「経済が安定するお金の代わり」となる物は、

  • 形が全て同じである
  • 軽量で持ち運びしやすい
  • 誰もが作り出せない

 この条件を考慮して貨幣が鋳造されました。日本においては最古の貨幣は「和同開珎」(わどうかいちん)であると言われています。和同開珎は、和銅元年8月から発行されました。和銅元年は西暦の708年となります。

まとめ:お金の歴史 貝貨・価値・宝貝・昔の漢字|2019年版

 日本の漢字は古来の中国から伝達されてきていることもあり、お金に関係する言葉には 貝という漢字が多用されています。

 お金の代わりとして使用していくためにはいくつもの問題をクリアする必要があり、その条件に最も当てはまるのが貝であったことが分かります。

 以上、貝貨(貝のお金)なぜ昔は貝殻を貨幣にしたのか?価値と歴史...についてでした。