正社員 バイト掛け持ち 労働基準法|バレる?副業禁止のアルバイト

 大手企業の日産自動車、Panasonicなどが次々に・・「副業をやってOKです」と容認する発表をしています。

 しかし、ここで気になるのは・・

正社員のバイト掛け持ち 労働基準法でもOKなの?

 この問題があります。

 疲労しているはずの時間になっても働かされる行為は、労働基準法では禁止としていたはずです。

 この法律にまつわる問題と、未だに多くの企業が副業禁止のルールである中、正社員がアルバイトをかけもちする事にまつわる・・

  • 正社員のバイト掛け持ちがバレない方法
  • アルバイト掛け持ちがばれる要因となること
  • 法律で副業禁止になっているのか

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

正社員のバイト掛け持ち 労働基準法では

 どうしても臨時収入が欲しいときがあります。いまの給与をキープしながら新たにお金を作り出したいので、転職をせずに副業のスタイルで収入アップを狙うことになります。

 するとトータルの労働時間を増やす方向になるので、どんな仕事であっても労働基準法の法律が適用されるはずです。それは・・

  • 1日の労働は8時間を超えてはいけない
  • 1週間の労働は40時間を超えてはいけない

 誰でも知っているはずの 労働する基本の条件が適用されます。

 労働基準法の36条によると、残業すると時間外になると賃金が25%アップ(60時間を超えたら50%アップ)としています。

実際に副業をしたときの労働時間

 では、本題の「副業でバイト掛け持ち」をした場合です。労働時間がこのようになったとします。

正社員が副業でバイト掛け持ち:1日の労働
正社員アルバイト合計
8時間5時間13時間

 この場合では、1日あたり合計13時間の労働になっています。そのため・・

労働基準法の1日8時間・週40時間をクリアしていません

 つまり、これは通常の労働時間ではなく残業をさせている労働条件となります。それなら、残業をするときのルールとして25%アップを守る必要がありますが、ここが注目ポイントになっています。

時間外労働の賃金で働くべきルールのはずが・・

 通常、8時間を超える労働があるとき、25%アップの時給で給与を計算する必要があります。ですが・・

POINT

正社員の給料:8時間 = 残業ではない
アルバイトの給料:5時間 = 残業ではない

 この計算方法で給料を頂くはずです。本来は、8時間から5時間オーバーとなっているので 5時間分は25%アップの賃金が発生すべきです(正社員・アルバイトどちらかの雇用主が払うべき)。

 ですが、アルバイト先の雇用主は5時間すべてを25%アップの賃金で雇うことは難しいはずです。そして正社員として雇っている企業が、5時間を25%アップで支払うことは ありえない事です。そのため・・

労働基準法をクリアしていない

 こんな状況で副業をしている方が多いはずです。

 このグレーな部分は、副業をOKとしている企業も気がついているはずです。ですが これが明るみに出て事件となっても、仕事をする側:労働者が罰せられることはあり得ません。そのため、知らないふり(残業ナシの賃金)で働くだけです。

正社員 アルバイト禁止ルールのある企業の意図は?

 まだまだ副業を禁止とする企業が多くあります。しかし、休日の空いている時間にはアルバイトをやって収入アップを狙いたい方が多くいます。

副業のバイトでWワークをしたい

 もっと仕事をする時間がありつつモチベーションがアップしているなら、次のハードルは「会社の就業規則:ある副業禁止」についてです。

アルバイト禁止は法律で決められたことなのか

 正社員のスタッフは「アルバイトが禁止である」という考え方は・・

労働基準法で決められている事ではありません

 私たちがよく聞いたりする「副業の禁止」についての話は、法律の問題ではなく、会社単位で設定している就業規則によります。

POINT

アルバイト禁止のルールは会社ごとの就業規則による

 労働基準法で示されているのは、1日8時間の労働をメインとする仕事内容・残業ルールについてです。予定した就業・残業時間が過ぎ、タイムカードを押して帰宅する時間になると 労働基準法の範囲外となります。

副業禁止の企業でも ばれないようにバイトをしたい

 法律で正社員の時間外にバイトをすることを規制していないのであれば、会社に内緒でWワーク(バイトをすること)が可能であるように思えます。しかし、バイトをするとなれば給与が発生するため・・

POINT

給与に応じた所得税、住民税が発生します

 この税金を計算するときには「年間の所得」の数字が必要です。そのため、現在の正社員として働いている会社以外で報酬を頂いているなら・・

POINT

他の企業で得た給与を現在の会社の事務員に報告します

 副業禁止を規則としている企業に在籍しているとき、会社へ報告しないで副業をする方もいます。

 しかし、後に「報告しないでバイトを掛け持ちしていること」は、源泉徴収の手続き、市役所から企業へ送付される住民税の報告書(特別徴収税額通知書)でバレることになります。

バイトの掛け持ちがバレる理由とは

 バイトの掛け持ちを会社に内緒にしていても、後にバレてしまうのは住民税の支払いが発生するからです。住民税は、前年度の所得(正社員の給与+バイトの給与+その他でお金をゲットしたこと全ての合計)から計算されます。

 そのため、前年度に得た全ての給与の計算を基に市役所が計算します。そして、正社員として働いている企業に支払いの通知が届きます。そのため・・

住民税の支払いは避けられないので、バイトの掛け持ちは必ずバレる

 こうなります。

 会社が支払った給与の金額から住民税を算出しますが、市役所から「支払うべき住民税の金額」を示している特別徴収税額通知書には「さらに多くの金額」が書かれていると、会社の事務員は・・

POINT

別で給与を得ていることが分かります

 そして、もう一つ副業である事がバレる要因があります。

特別徴収税額通知書にその他の所得が書かれる

 勤務している企業に届けられる「特別徴収税額通知書」の数字を基にして市民税と県民税を納めることになりますが、この通知書には「その他の所得」という欄があり、ここに副業をして報酬を得ている場合に印が入ります。つまり・・

POINT

バイトを掛け持ちしてることがすぐに分かります

 場合によっては、バイト先でマイナンバーの提示を求められることがあります。このマイナンバーの照会によっても、バイトを掛け持ちしていることがバレることになります。

雇用保険の加入でバイト掛け持ちがバレる

 バイト先での勤務時間が長くなると 雇用保険の加入が義務づけられているため、加入手続きを行います。そして、その手続きした内容が正社員で働いている企業に届けられます。

雇用保険は、別の企業で複数加入することが出来ない

 この決まりとなっているため、1カ所で加入するのであれば、別の企業では喪失手続きが必要になります。つまり、損失の手続き書類が正社員の企業に届けられるので、別の会社でバイトを掛け持ちしてることがバレます。

 このように、正社員で働いている会社にナイショで副業をする方法はかなり難しい事が分かります。しかし、国内でも副業のバイト(Wワーク)を推奨する企業は次第に増えてきています。

正社員でもバイトを推奨している会社もある

 大手の企業の中には正社員の社であっても、空いている時間に副業をすることを推奨する会社もあります。その会社が時間外にバイトを推奨したい理由は、正社員として働く現在の職務だけに縛られず・・

POINT

多くの事に興味を持って取り組むと、後で会社にもプラス効果が還元される

 この可能性があると考えています。つまり、正社員で働いているスタッフが会社での時間だけにとらわれて・・

他企業の職務の知識・経験が得られないのはマイナスではないか

 このように考えているのです。ただ、このような「Wワークを推奨する企業(DeNA、ソフトバンクなど)」はまだ多くない現状であるのため、同様の考え方が常識になっていくまでには時間がかかりそうです。

厚生労働省の「モデル就業規則」とは

 あくまでも強制力の無い「厚生労働省が策定するモデル」ですが、その中には副業禁止が明示されていました。「モデル就業規則」に書かれている中身(平成29年まで)はこうです。

POINT

[遵守事項] 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと

 これが、次のように書き換えられました(平成30年以降)。

POINT

[副業・兼業] 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる

 政府は「働き方改革」により「副業禁止」から「副業推進」へと考え方を変えてきています。その理由を見ていきます。

副業を推進するメリット、禁止すべき理由とは

 政府が推進している「働き方改革」では、副業をすることでこのようなメリットがあると考えています。

  • 人材不足をカバーできる
  • 新たな人材を育成できるようになる
  • 可処分所得の増加
  • イノベーションの促進される

 イノベーションの意味は「新しい考え方、切り口、価値観が高まること」です。正社員の「知識が増えて賢く判断できるようになる」のような意味です。次は、一般企業が考える「副業を禁止」すべきとする考え方です。

POINT

  • 現在の企業の秘密を他社に提供する可能性がある
  • 昔ながらの終身雇用の考え方が定着している

 企業は、社員が他でアルバイトするということは、企業が持つ強み(ライバルに勝つための知識・技術力)が流出してしまうのではないかという懸念があります。

 そして、日本ではまだ根強く残っている「終身雇用制」の考え方です。他で更なる技術を習得して帰ってくるメリットよりも社内の「秘密が漏れてしまう」ことを嫌っています。

現在でも8割以上の企業が「副業禁止」である

 政府が「副業の推進していく」考え方になっても、未だに8割以上の企業は、就業規則において副業禁止となっています。それは・・

POINT

勤務時間外には休むことを想定している

 からです。勤務中にアルバイトの疲労から「判断ミス」があったり、柔軟な新しいアイディアが浮かばないなど、仕事に何らかの支障が出てしまうことを懸念しています。

副業を推進する企業は増える

 今後は副業を推進する企業は増えるものと見られています。そして、会社へ申請することによって堂々と副業することが可能となるので、人材不足が懸念されているジャンルへ新たな働き手が増えていくはずです。ただ・・

POINT

期間社員(派遣社員)の仕事が減ってしまう

 こんな問題もあります。

 派遣社員は何年キャリアを積んでもなかなか正社員へ登用されず、ずっと低い給与で働いているワーキングプア層が多くいます。そこに他社の正社員がアルバイトで入ってくると、さらに低所得層から抜け出すことが困難になります。

まとめ:正社員 アルバイト 掛け持ち禁止 副業ばれる|2020年版

 企業は副業で正社員の技術力が流出してしまう事を懸念しますが、副業をしたい側からすると「会社からの給与が少ない」のは、会社が十分な量の仕事を与えていない事が理由です。そう考えると会社側の「副業禁止」はおかしい事になります。

 それとは逆に、労働時間が多くなりすぎて「ブラック企業」と言われないようにするために、多すぎる勤務時間をチェックし、改善している企業も増えてきています。この規制がネックになって副業を選ぶ方もいます。