マネーロンダリングとは わかりやすく 手口 カジノ 資金洗浄の仕組み

 日本国内でカジノが建設される方針が現実的になった頃から・・

POINT

  • マネーロンダリングの仕組み
  • 犯罪で獲得したお金が持ち込まれる危険性

 これらの情報が注目されるようになってきました。

 マネーロンダリングの手口の中でも、カジノは資金洗浄が容易になる要素が多いため問題点がいくつも指摘されています。このマネーロンダリングの・・

  • これまでに分かっている手口
  • 資金洗浄の仕組み
  • 新たなマネーロンダリングの方法

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

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マネーロンダリング(マネロン)とは

 概要よりも先に「カジノでの手口」について知りたい方は、「8章:カジノと資金洗浄の手口」へ移動してください。

 マネーロンダリング(マネロン)とは、犯罪(詐欺、脱税、裏金、盗品)などで手に入れた「汚いお金」を「正当な取引で得たお金」に見せるための手段です。素性の良い綺麗なお金にする意味があるので「資金洗浄」と言われます。

マネーロンダリングとは、不正に得たお金を金融操作で正しいお金に見せること

 犯罪にまつわる資金獲得や資金移動を防止する法律により、マネーロンダリングは違法であると定義されています。これは、世界各国においても「組織犯罪の活動を抑制する」一致した考え方です。

どうしてマネーロンダリングをするのか?

 友人・知人には、数千円くらいなら、借用書・領収書なしで手渡しすることがあるはずです。しかし、企業間の取引(または個人のビジネス取引)であるときに、「5,000万円」のお金が移動しているにもかかわらず・・

  • 領収証
  • 銀行預金の履歴
  • 小切手などの履歴

 これらの書類がどれも残っていないのは、おかしな事だといえます。

 仕事の報酬であっても「札束を手渡し」ではなく、銀行口座から銀行口座へと移動するので、預金残高の履歴が残ります。これが残っていない(残せない)のが、不正にゲットしたお金であるといえます。

犯罪でゲットしたお金は「履歴がない大金」となる

 急に金回りが良くなる企業は「脱税」を疑われますが、取引銀行・取引先を相手にお金が動いた証拠(取引の書類:領収書など)があるなら問題ありません。そのため・・

POINT

公的な書類(税務署へ提出できるもの)をゲットする必要があります

 これを確保するために資金洗浄:マネーロンダリングを試みます。

不正に得たお金を使わずに保管:寝かせると?

 不正にゲットしたお金が見つからないように、「使わずに保管しておく」という選択肢があります。しかし、時期をずらしてもバレる可能性は残っています。

犯罪で紛失したお札の登録番号が一致すると証拠となる

 「使ったお札の登録番号」から事件の犯人が特定されるのはドラマによくあるパターンですが、実際の銀行では・・

新札(ピン札)・旧札(旧券)の登録番号と銀行のチェック
お札の新旧引き出す場所登録番号の特定
新札(ピン札)窓口特定可能
新札(ピン札)ATM特定不可
旧札(旧券)窓口特定不可
旧札(旧券)ATM特定不可

 このルールで運営している銀行が多いと言われています。つまり、一度市場に出たお札が「誰に移動して」「どこのATMへ入金されたのか」について、銀行へ問い合わせても分かりません。

 1つの例として・・

POINT

銀行ATMで100万円を下ろす → 盗難される

 この場合でも、警察が銀行へ協力を依頼しても「出金したお札の登録番号」と犯罪者が「銀行へ預けたお札の登録番号」を照会(比較)することはできません。

 つまり、お札の登録番号からバレるという可能性は、「ゼロ」ではないにせよ「低い」といえます。

マネーロンダリングを成功させるには

 マネーロンダリングの最終的な着地ポイントは、「素性の良いお金」を手に入れる事です。取引履歴が明確となる商品・サービスを提供して(請求書や領収書が発行できる)売買の取引で現金を手にできれば成功です。

違法なお金を「一般消費者の現金を出させる商品やサービス」に置き換える

 そのために、商品やサービスを調達しやすい外国の銀行にお金を移動させたり、架空の書類を偽造するなどの対策があります。

現在 分かっているマネーロンダリングの手法

 海外のニュースサイトやwikipediaを参考にすると、現在のところ分かっているマネーロンダリングの手法は「11の手口」に分類できそうです。

マネーロンダリングの主な手法
構造化
Structuring
現金を少額で分割して預金し、無記名証券の購入などを経て現金化する
一括現金
密輸
Bulk cash smuggling
他の地域へ現金を密輸し金融機関へ預ける(オフショア銀行など:預金者の居住が国外)
現金取引型事業
Cash-intensive businesses
現金商売の売上金へ不正な現金を混ぜて公然と事業をする(カジノ・クラブなど)
取引偽造
Trade-based laundering
請求書の金額を水増し、または鯖読みしてお金の動きの中に紛れ込ませる
企業買収
取引
Shell companies and trusts
実態のないペーパーカンパニーの売買において、現金、株式の資金として使う
循環取引
Round-tripping
海外の外国法人への投資や、企業間の商品取引にて(実態のない)伝票のみが取り交わされる
銀行支配
Bank capture
銀行の支配的な権利(経営の実権を握る株式保有)を得て、精査せずに銀行から資金移動できる状態にする
カジノ
Casinos
カジノにて現金を消費してチップをキャッシュし、小切手にて受け取り、後に現金の請求をする
他のギャンブル
Other gambling
全ての選択肢にお金をBet(賭ける)、必ずいずれかが勝つので報酬金を手にする
不動産
Real estate
不正な現金にて不動産を購入後、売却して現金を得る
黒い給与
Black salaries
労働契約なしに雇用した労働者の賃金に、不正なお金が使用される

小口の現金で移動するとバレにくい

 銀行から送金を試みるときは、高額なお金のまま動かすと目立つことから、小口(少量の現金)へと分割してマネーロンダリングが行われます。

 これは平成13年の「米国同時多発テロ事件」以降に施行された「本人確認法」の対策も影響しています。

本人確認法(金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律)とは?
マネーロンダリング、テロ対策のため、特定条件の取引は公的証明書にて本人確認を行う
10万円を
超える送金
ATMでは取扱いできず、
窓口で公的証明書を提示する
新規に口座
を開設する
窓口で公的証明書を
提示する
口座を閉鎖
した後
本人確認の記録を
7年間保存する

 公的証明書とは、運転免許証健康保険証パスポート母子健康手帳外国人登録証明書などです。

カジノは資金洗浄に好都合である

 「マネーロンダリングするならマカオのカジノ」と言われるように、資金洗浄のためにマカオを訪れる人は多くいると見られています。

 2006年にはラスベガスを抜いて世界一の売上となったマカオですが、中国の腐敗官僚によるマネーロンダリングを取り締まる「反腐敗キャンペーン」が2013年に開始されると、翌年には売上が半分ほどに落ち込みました。

POINT

マカオはマネーロンダリング目的の客が減ると売上が激減する

 数年前までは簡単に利用できた個室(VIPルーム)も、現在は身分証の提示が必要となっています。

マネーロンダリングが容易となる条件とは

 カジノでのマネーロンダリングが注目されるのは、他の「資金洗浄」では苦労してしまう「いくつもの問題」を 楽にクリアできる条件が揃っているからです。カジノでは、このようにお金を動かしていきます。

  • 持ち込んだ「問題のあるお金」を賭けて負ける
  • 負けたお金はカジノ側に移動する
  • 仲間が勝ってカジノからお金を獲得する

 このようにしてマネーロンダリングが行われます。この場合、お金をコントロールするディーラーも仲間であり、勝ち負けをうまくコントロールして(目立たないように)ゲームの回数を重ねて仲間にお金を移動していきます。

 持参したお金はカジノ側へ移動し、仲間が勝ったお金を手にします(その中から手伝ってくれたディーラーの報酬:ワイロを支払います)。

チップへ交換してすぐに現金化する

 カジノでは手持ちのお金をチップ(仮想のお金:プラスチックのデザインコイン)へ交換します。テーブルに座って現金を差し出すと、ディーラーが現金相当分のチップを差し出します。チップは現金と同じ価値があり、交換には手数料もかからないので

POINT

現金 → チップ → 現金 → カジノを出る

 このやり方ができます。自分は(少しだけゲームをして)残りのチップを仲間に渡し、仲間はゲームで勝ったふりをしてチップを現金に換えてカジノを後にします。

 これなら勝たせてくれるディーラーの報酬(ワイロ)もいらず、ほぼ全てのお金を減らさずにマネーロンダリングできることになります。

カジノで得たお金を海外へ送金するには

 巨大カジノグループは、ラスベガスやマカオ、シンガポールなど世界のリゾート地に店舗を構えています。そのため・・

他の国にある同グループ店舗の「チップ」や「小切手」を受取り可能

 このようなシステムとなっています。つまり、銀行などを経由せずとも「国際送金」が簡単にできます。

 海外カジノから自国へお金を移動する時には、カジノ発行証明書(勝利して得たお金を証明する書類)を取得し、出国時に税関の手続きの際に「大金を得た経緯」を申告します。所定の書類にて手続きが完了したら通過できます。

カジノの売上金に問題のお金が混じっている

 ここで気になるのは、資金洗浄をする際にカジノに持ち込まれるお金(カジノ側から見ると売上金)です。

これってヤバいお金では?

 マネロン目的で持ち込まれた(かもしれない)現金は、カジノ側からすると来店客がゲームを楽しむために使ったお金となるので、カジノ側は・・

犯罪には荷担しておらず、正当な商売で得た合法な収入である

 このように主張します。

 「マネーロンダリング銀行」を利用するためにマカオへ客が集まっている事が分かっていても、政府が定めるルールを守って健全なカジノ運営をしているので・・

お客さんが持ち込むお金の入手先

 これについては気にする必要はないのです。

海外の金融機関がマネロンに利用される

 企業は前年度の実績から保有している資金がある程度予想できるため、脱税などで着服した(急激に増加した)お金は出所が怪しまれます。そのため、一度海外の金融機関に送金するという方法が使われます。

出所を隠すために海外の金融機関にお金を移動する

 海外では日本国内とは課税方式が異なるため、様々なスタイルで現金を預けることができます。そのため、海外の銀行に口座を新設し「投資などの目的を偽装して移動させる」ことにより、マネーロンダリングの追求から逃れます。

架空名義の口座を利用する

 マネーロンダリングによく利用されるのが架空名義の口座です。架空の企業の口座へ資金を移動し、その企業で株式や債券などを購入すると資金の出所が分かりにくくなります。

 現在はマネーロンダリングを阻止するために「本人確認法」が施行されているため、新たに架空名義の銀行口座は作りにくい状態となっています。

ペーパーカンパニーとタックスヘイブン

 会社の規模を拡大していくと 利益を増加できる可能性が高まりますが、それと同時に税金の支払い金額も多額になります。

 そこで経営者は、せっかく設けたお金を「税金(法人税)として取られたくない」ので、試行錯誤をします。その多額の税金を避けるには・・

税率が高い国 → 低い国へ逃げる

 これが抜群に効果的です。このような税率の優遇を目的とする対策を「タックスヘイブン」と言います。タックスヘイブンとは・・

POINT

法人税などに特典のある国で租税を回避する手法

 このようになります。

 税金が嫌なので(払わないで済むように)逃げるやり方なのですが、「違法ではありません」。海外を視野に入れている経営者なら、必ずタックスヘイブンを意識した事業展開をします。

ペーパーカンパニー経由で隠ぺいする

 違法ではないので、タックスヘイブンを装って海外にペーパーカンパニー(実態のない会社)を設立すると・・

マネーロンダリングが容易になります

 複数の国でペーパーカンパニーを設立して「サービス」や「物」、「お金」を交換しながら移動させていくと、資金の出所を追及しにくくなります。

仮想通貨でマネーロンダリングは可能か

 近年は、過去に登場した仮想通貨を改良した新たなタイプが次々とリリースされています。安全性が高くなり、決済スピードの欠点も解消、このようなスタンダードになりそうな仮想通貨がいくつもあります。

 仮想通貨は、銀行の安心感「必ず現金に交換できる保険:担保」がありません。何もないところに人が集まって・・

仮想通貨「A」は現金の代わりである!と宣言

 その約束を「信頼した人」がお金の代わりを交換しています。リーダーはおらず、全員が取引を共有・監視しています。

お金の移動が容易なのでは?

 仮想通貨は注目度が高く、世界中に利用者がいるので「現金 → 仮想通貨 → 現金」この移動が簡単にできます。その点から考えるとマネーロンダリングに好都合のように見えます。しかし・・

仮想通貨の「ブロックチェーン」は 取引の履歴がデータとして残る

 この仕組みになっているため、最も気になる「見られたくない過去の取引」を世界中へ見せてしまいます。

ブロックチェーンで常に監視しているとは

 ブロックチェーンとは・・

POINT

お金が動いた「履歴の台帳」を世界中のユーザーで共有します

 マネーロンダリングを目的としてデータ改ざんを試みても、仮想通貨は「情報の偽造を防止する暗号化技術(ハッシュ関数)」で守られているため、仮にパソコン1台のデータが改ざんできたとしても・・

POINT

ブロックチェーンのつながりで正解を判定し、正しいデータだけが残る

 このようなシステムになっています。

 世界中のユーザーが保存している取引履歴(トランザクション)は、(仮想通貨が開始された日から)過去のすべての取引がチェックできます。マネーロンダリング目的で、世界中のパソコンに保存されたデータを改ざんすることは困難です。

まとめ:マネロンとは わかりやすく 手口と仕組み|2019年版

 カジノにおいては、勝率が同じとなるバカラへ均等にかけていく事により、手持ちの現金総額を変えずにマネーロンダリングしていく方法などが人気と言われています。

 そして最近では、ネットで流通するネットマネー(オンラインゲームの課金に使う通貨)によって・・

POINT

国際間の送金が容易になる「新たな資金洗浄の抜け道」がある

 このように言われるようになってきています。

  • 未成年でも遊びやすい課金方法が多いシステム
  • ユーザー間の送金ができる
  • 現金へ払い戻しできるルートがある

 高額の資金が移動できれば、新たなマネーロンダリングの手口になる可能性もありそうです。

 以上、マネーロンダリングとは わかりやすく 手口 カジノ 資金洗浄の仕組み...についてでした。