基軸通貨とは?|国際通貨を設定するメリット 円 ドルを基準に

 基軸通貨を知ることは、外国為替市場のお金の流れを知るためにも最重要となります。現在はアメリカの米ドルが基軸通貨となっているため、日本のお金と外国のお金をトレードする際には米ドルを基準にレートを考慮する必要があります。

 世界中のお金が動くとき、基軸通貨がどのような働きをするのか?また、どうしてアメリカドルなのかを知ることで、FXなどの「外国為替取引」にて為替差益を狙いやすくなるはずです。

基軸通貨とは何なのか?

 世界の各地には外国為替の市場があり(インターバンク市場と呼ばれています)、そこで外国のお金を規定のレートでトレードしています。

 この時、各国の国のお金をそれぞれ比較してレートが決定されるのではなく、基軸通貨と言われる世界の基本となる通貨へと取り引きをして、その基軸通貨から目的の通貨へ取引をする方法がとられています。

  • 世界各国でお金をトレードする時、各通貨の「対米ドルレート」が使われる

 分かりやすくいくつかの国を例にして基軸通貨の役割を見ていきます。

2国間の通貨ペアのクロスレート計算例

 例えば日本円からオーストラリアドルに交換していくためには、日本円から米ドルに交換し、そこからオーストラリアドルに交換します。つまり、基準となるのは米ドルであり、その基軸通貨を通して世界中の通貨のレートを算出することで安定した取引をすることができます。

 2国間の通貨ペア(通貨の組み合わせ)のレートを算出するクロスレートを見ていきます。

現在のレートがこのようなとき
・1米ドル = 110円
・1米ドル = 0.82ユーロ
・1米ドル = 0.73イギリスポンド
・1米ドル = 1.24カナダドル
・1米ドル = 1.26オーストラリアドル(豪ドル)
2国間の通貨ペアのクロスレート計算
対象の通貨 1米ドル/円 1米ドルあたり 1対処通貨/円
ユーロ 110円 ÷ 0.82ユーロ 134.1円
イギリスポンド 110円 ÷ 0.73イギリスポンド 150.6円
カナダドル 110円 ÷ 1.24カナダドル 88.7円
豪ドル 110円 ÷ 1.26豪ドル 87.3円

 「世界各国のそれぞれの通貨」×「世界各国のそれぞれの通貨」を計算すると300通り以上にもなります。このように多くなりすぎると、それぞれのレートの手続きや管理の手間が増えてしまいます。

 基軸通貨を基準に為替レートを算出することにより、各国の通貨がどのように変動してるのか比較しやすくなり、世界中の投資家が購入しやすい状況となります。

為替変動の要因が二つある

 円を基準に各国の為替相場を見ていくと、相場が変動していく要因が分かりにくくなります。そんな時には基軸通貨(対米ドルレート)を見ていきます。

  • 為替相場は「米ドル/円」「対象通貨/米ドル」の両方の影響を受ける

 対象の国の通貨の変動は、2国間の通貨が掛け合わされた結果となるため、「対象通貨の米ドルの動き」、そして「日本円の対米ドルの動き」をチェックします。

 為替相場は、3カ国間の貨幣需要や経済の状態が影響して決まるため、今後の動きを予想するのは容易ではありません。

過去には金本位制が採用されていた

 昔からアメリカのUSドルが基軸通貨だったわけではなく、1820年頃の世界においてはイギリスのポンドが基軸通貨として使われていました。その頃は世界的にも「金本位制」の考え方が浸透している時代でした。金本位制とは・・

  • 金(きん)を通貨の基準として考える
  • 金と同額の紙幣の価値を保証する制度

 金本位制にするためには十分な金の保有が必要であり、日本も過去に何度か金本位制を導入する体制が整えられたのですが、世界情勢が不安定になったことや、十分な金が保有できないことから導入が見送られました。

基軸通貨はイギリスからアメリカへ

 1944年7月にアメリカのブレトンウッズにて開かれた連合国通貨金融会議にて、国際通貨制度が話し合われました。

1944年に44カ国の代表が集まり今後の通貨制度が決定(ブレトンウッズ体制)

 この会議にて現在のUSドルが基軸通貨となりました。

どのような基準で基軸通貨を決めるのか?

 基軸通貨を決めるために重要なのは、安定している国の通貨である事です。頻繁に内戦などがあり、国の滅びてしまうと通貨としての価値が無くなってしまいます。それを避けるために、世界で最も強い国が基軸通貨となる必要があります。

 基軸通貨となる為の大きな条件はこの二つとなります。

  • 軍事力が強大で世界的のリーダーである
  • 経済的に安定している

 この二つの条件を元に、通貨の価値が安定しており、流通量が多い通貨という基準から、USドルが最適であるとなりました。

 実際に、アメリカは世界の警察と言われる軍事国家であり、核保有国でもある事から一般的には世界一の軍事力がある国であると考えられています。

アメリカは世界最大の経済大国である

 もう一つの条件となる経済的な面ですが、アメリカには巨大なIT系の企業が多く存在し 世界経済の中心となっています。

Google、Yahooなどのネット関連企業、ネット通販大手のAmazonもアメリカの企業

 基軸通貨が米ドルに決まった時代、そして現在を見ても世界経済の中心がアメリカであることは間違いありません。そのあたりを考慮しても、基軸通貨に求められる条件をクリアしているのがアメリカとなります。

過去には不安定になったこともある

 基軸通貨となったアメリカですが、歴史を振り返ると基軸通貨が揺らぐような事件はなんども起きました。世界同時多発テロやの影響であったり、リーマンショックなどがあったのです。

 実際に、リーマンショックの際には大量のドルを発行したのですが、アメリカの巨大な経済力と信用から経済は現在も安定している状態になっています。そんな事から、アメリカは基軸通貨の国として現状のところは最適であると考えられています。

 ただ、将来的には中国の経済力がアメリカを上回ると多くの人が予想しています。そうなってくると、軍事力の面でどのような駆け引きがあるのかがポイントになってきます。つまり、いつまでもアメリカが基軸通貨の国であり続ける事ができなくなる可能性があります。

まとめ:基軸通貨とは メリット 円 ドルを基準に

 世界のお金の中心がアメリカであるということは、アメリカが不景気になると世界中に大きな影響を与えそうですが、実際のところは長期的に不景気が続くことはありません。

 世界のお金が流通するとき、必ず米ドルを手に入れる人がいます。そのため短期的な不景気はあったとしても、毎日のように世界中が米ドルを購入するため、景気の見通しはやがて安定する傾向があります。

Posted by mon