ギャンブル依存症 アルコール依存症の内訳【遺伝・イライラ・再発率】

 ギャンブルが大好きで止められないギャンブル依存症の方には、精神的なトラブル:不安障害(パニック障害など)を抱えている方もいます。そんな併存疾患の中でも・・

POINT

お酒が止められないアルコール依存症

 で悩んでいる方がとても多いのです。家族に負担を与え続けると・・

パチンコ・お酒、どちらか1つは止めて!

 と言われますが、どちらかを止めているとイライラが止まらなくなり、うつ病などの気分障害が出てきてしまいます。

  • ギャンブル依存症とアルコール依存症の内訳
  • ギャンブル依存は遺伝するのか
  • イライラを抑える方法
  • 再発率が高くなってしまう要因

 これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

ギャンブル依存症とは

 精神医学においては「病的賭博」とも言われます。賭け事が好きな人という範囲を超えて、自分一人では改善に向けた取り組みが何もできないので、「精神疾患」として考えます。

POINT

ギャンブル依存症は治療が必要な病気である

 厚生労働省が調査を依頼した「国立病院機構 久里浜医療センター」によると、2017年の調査結果では、成人の3.6%にギャンブル依存症の可能性があるという結果となるので、これを日本国民全体の割合で見ると・・

ギャンブル依存症の疑いのある方は約320万人

 となります。この数字は、海外と比較しても圧倒的に多く、日本はギャンブル依存症になりやすい環境・文化であることが分かります。

どうして治療が必要なのか?

 ギャンブル依存症になってしまうと・・

POINT

 このような状態になってしまいます。

 この状態でも友人や家族がフォローしている間は大事には至らずに、どうにか生活できているので「治療:通院をする必要性」に疑問をもつはずです。なにより本人が、ギャンブル依存の病気と認めたくないはずです。

 しかし、ギャンブル依存症にはもう一つの併存疾患という問題がついてきます。

アルコール依存症になってしまう

 ギャンブルに熱中しているとこのようなライフスタイルになります。

ギャンブル依存症とアルコール依存症の関係
賭けごとの結果 やりたいこと 実行したこと
1万円勝った 勝利の酒で祝う お酒を飲む
3万円負けた イライラする → 酒 お酒を飲む

 アルコールは、気分が高揚している状態をさらに高めたい(楽しむ)時に飲むことが多いですが、逆に気分が落ち込んでイライラする時に気分を紛らわせる(嫌なことを忘れたい)時にも飲みます。

 ギャンブルをしていると、常にどちらかの気分になってしまうので、結局は毎日のようにお酒を飲み続ける事になります。

ギャンブルが関係する併存疾患は遺伝する

 ギャンブル依存症を治療のために病院へ訪れる方は、すでにギャンブル依存症以外の精神的な病気の患者であることが多くあります。

POINT

  • 気分障害
  • 不安障害

 「気分障害」とは、何時間もいやな気持ちが持続してしまう症状です。よく知られる病名では「双極性障害」「うつ病」があります。症状が酷くなると「妄想」に悩まされたり、聞こえるはずのない声「幻聴」が聞こえる方もいます。

 そして「不安障害」は、期待している事ができず(失敗して)打ちのめされ恐怖感が増えて、心臓がドキドキ、汗が止まらなくなります。「ふるえ」の症状が出る方もいます。

 この不安障害で気になるのは・・

遺伝する可能性がある

 ということです。不安障害の症状のある方と生活を共にしている家族は、不安になってしまう要因や体に表れる症状を見て学ぶので「不安障害を記憶する = 遺伝しやすくなる」と見ています。

ギャンブルが先か、アルコールが先か・・

 ギャンブルに熱中すると、勝っても負けてもお酒を飲んでしまう生活になり、精神的な「気分障害」「不安障害」がからんできます。すると・・

POINT

  • ギャンブル依存症が原因 → 「気分障害」「不安障害」になる
  • 「気分障害」「不安障害」 → 嫌な気分をお酒で紛らわす
  • アルコール依存症で気分が楽しく → ギャンブルでドキドキしたい

 このような循環でギャンブル依存症からアルコール依存症までがつながります。

 その他、ニコチン依存となる喫煙習慣が定着したり・・

アルコール以上の快楽を求めて「薬物依存」

 となってしまうケースもあります。これらの問題を解決するためにも「ギャンブル依存症」の治療が大事になってきます。

ギャンブル依存症を治療するために

 まずは、どうして「ギャンブル依存症」になってしまうのか・・についてです。

 私たちの脳は、毎日の生活のすべてをコントロールしますが、いつも「つまらない」と感じています。毎日のように同じ食事、遊び方、仕事・・となると、脳は新しい刺激に過敏になってきて、求めるようになります。

POINT

  • イケメン(美女)に話しかけられ 心臓がドキドキMAXに
  • 高度1万メートルからスカイダイビング
  • 「世界周遊ツアー20日間」の出発日

 最高の男性(女性)を見て恋に落ちるとき、最高のアドベンチャー体験、ハリウッド女優と2ショット、三つ星ホテルの食事など、脳に強い刺激がガンガン入ってくる時には・・

脳の神経伝達物質:ノルアドレナリン、ドーパミンなどが大量放出

 という状態になっています。心地よい気持ちよさ、ドキドキ感で快楽を感じている瞬間です。

脳内報酬系に刺激を与えて快楽を得る

 脳に刺激を与えて快楽を得るには、つまらない生活をチェンジするために「旅行に出かける」「高額商品を買う」などのアクションが必要であり、お金がかかってしまいます。

 しかし、これを簡単に得るやり方があります。それが・・

パチンコ屋で遊ぶこと

 なのです。賭けごとをすると「ドーパミン」が放出され、脳が心地よいと感じる楽しい時間を過ごす事ができます。いつもなら、数時間でお金を使いきって帰宅することになりますが、たまには事件が起きます。

ギャンブルをしていて奇跡が起きるとき

 「今日も惨敗か・・」と諦めかけた後に事件がおきて、奇跡的に・・

POINT

10万円も勝ってしまう

 となれば大変なことになります。

もっと出るでしょ! 今のうちに終わるべき?

 のようなドキドキ感を楽しんでいるとき、脳では「ドーパミン」が大量に放出され続けます。誰でもギャンブルの回数を重ねていくと、このような「最高の1日」を体験する日がきます。

翌日からは刺激レベルが下がってしまう

 私たちは、刺激があるとすごく驚き、感動しますが、やがて慣れます。

 例えば、初めて車を運転したときには、アクセルを踏んで10キロで車が動いただけでも緊張したはずです。ですが、それが慣れてくると・・

POINT

今では80キロで走っても何とも思わない

 ようになっているはずです。もともと脳内の神経伝達物質とは、私たちの体を危険から守るために放出されています。そのため、「危険ではない = 刺激がない」時にはドキドキ感はないので、つまらないのです。

脳内物質とはどのようなものか:簡単な例

 はるか昔の石器時代に狩猟していたとします。襲われると命を落とす危険がありますが、食料がゲットできないと家族が餓死してしまいます。

  • 獲物を発見し喜び、ドーパミンが出て集中する
  • ノルアドレナリンが闘争心をアップし運動能力が高まる
  • エンドルフィンが怪我の痛みを鎮静化

 このように、脳内物資が生きるために短時間だけ体をより強く、早く、賢く行動できるようにしてくれます。

 一瞬の緊張感を高めるはずの脳内物質であるはずなのに、ギャンブルに熱中している方は この刺激が何時間も、しかも毎日のように継続して刺激を受け続ける環境で生活しています。

快楽に対して鈍感になってしまう

 ギャンブルで10万円勝った経験をすると・・

POINT

  • 3万円の勝ち
  • 1万円の勝ち

 があったとしても、「喜び」の刺激をほとんど感じなくなります。もう「3万円勝ち」では最高の緊張感は楽しめないので、いつも10万円(または20万円)の刺激がほしいと思い続けるようになります。

 そして、強い刺激がないと満足できない体質はギャンブルだけでなく、私生活にも影響してきます。

  • 高級レストランでディナーを食べる
  • 趣味のグッズ・貴金属・ブランド品をプレゼントされる
  • 夫婦の夜の生活

 過去には「楽しい事」であったはずなのに、興味が薄れて鈍感になってきます。この様子は、一緒に暮らしている家族なら気がつくはずです。

 ギャンブル依存症は、一人ではどうしようもない状況であることが多いため、本人に状況を伝えて治療していく考え方をサポートする体制が大事になってきます。

ギャンブル依存症は治るのか?

 ここで最大の疑問となるのが「ギャンブル依存症は治るのか」についてです。「パチンコ店」または「競馬場」のように、イライラを止められなくなる原因(場所)が確実に分かっている場合・・

POINT

遊技場へ足を運ばない習慣を徹底する

 というツライ生活を我慢できるのなら、改善していくはずです。

 ギャンブルの刺激を欲しがる脳内で大量に放出される「ドーパミン」の分泌を普通に戻すには・・

ギャンブルをやらない期間を長くする

 という方法しかないため、ゆっくり時間をかけて脳内物質の分泌が正常に落ちつくような「普通の生活」を維持していくことが必要になります。

抑制するには環境が大事:高い再発率

 ギャンブル依存症の方に「パチンコ屋への出入り禁止」と言ったところで、脳は快楽物質が欲しくてずっとイライラさせるので、長期間抑制を続けるのは困難です。日本の法律では・・

パチンコはギャンブルではない

 という考え方になっているので、生活圏となる駅の近くであってもパチンコ店を必ず見る事になります。

 そのため、会社に出勤してから帰宅までのルートにパチンコ屋を見かけることがあります。これは・・

POINT

空腹で死にそうなときに「焼き鳥屋」の前を通る

 ような状況であり、パチンコ屋の音に反応してテンションが上がったり、「ストレス」と葛藤が続いて、「気分障害」「不安障害」が現れる要因となります。

 このような生活環境が影響するため、一時的にギャンブル依存症を落ちつかせることに成功したように見えても、また元の状態に戻ってしまいます。この高い再発率を抑えることがポイントになってきます。

ギャンブル専門外来について

 国内では、ギャンブル依存症に悩む患者が非常に多いこともあり、ギャンブル専門外来を儲けている病院があります。

ギャンブル専門外来を儲けている病院
住所 病院名 電話番号
横浜市中区 祐和会 大石クリニック 045-262-0014
神奈川県相模原市 北里大学東病院 042-748-9111

 集団生活を通じで「精神療法」を学べる入院治療プログラムを提供している病院もあります。同じ境遇の患者とともに日々の時間を過ごして、正しい生活サイクルを学びます。

 合同相談会(家族で参加)や個人面談などを通して、治療期間やリハビリテーションプログラムの内容を相談できます。

まとめ:ギャンブル依存症とアルコール依存症の内訳

 日本でカジノが建設になるというニュースから、ギャンブル依存症についても注目されるようになりました。

 カジノがオープンすると「ギャンブル依存症で困る方が増えてしまう」という懸念が何度も言われますが、実際のところは「パチンコ・パチスロ」「競馬」などにハマって、生活費をキャッシングする方は大勢います。

 カジノの概要や、カジノとギャンブル依存症の問題については「カジノを作る理由とは? パチンコへの影響」のページに分かりやすくまとめています。

Posted by mon