住宅ローン 頭金は多い方がいい?借りる金利・何割・控除の損得

 住宅ローンは、20年、30年と長期にわたるプランになるので、後で後悔しないようにするためにも、念入りに情報を集めて決断する事が大事です。これまでは・・

POINT

住宅ローンを組むなら頭金は2割以上用意すべき

 と言われる事もありました。しかし、現在は住宅ローンの考え方も変わってきており、頭金ゼロでも融資条件がクリアできれば住宅ローンを利用できます。そうなってくると・・

  • 「頭金をなし(0円)にすべきか
  • 物件価格に対して何割を準備すべきか

 について迷ってしまいます。今日は、頭金に入れる金額の損得、特に住宅ローン控除を狙った控除額を実際の数字を出して比較していきます。

頭金を払った方がお得になるのか?

 まず、大前提として「頭金を減らす:またはゼロにする」ということは、ローンの金額(借金)が増えることです。借りるお金が増えるですから・・

POINT

利息が増えるためローンの返済金額が高額になる

 これは間違いない事です。「頭金無し」を選択すると支払総額はこのように変化します。簡単な例を挙げてシミュレーションをしてみます。

物件価格3,500万円 35年ローン 金利1.37%の場合
物件価格 3,500万円 3,500万円
頭金 500万円
借入額 3,000万円 3,500万円
返済総額(頭金込み全額) 4,278万円 4,407万円
住宅ローンのみ(頭金抜き) 3,778万円 4,407万円
差額(負担増) 129万円

 このようになります。500万円の頭金を最初に用意した場合で比較すると、「頭金なし」は、129万円の負担増となります。

 この物件価格の3500万円に対して500万円の頭金となれば、全体の14.2%になります。「頭金2割」をクリアするためには、700万円を準備する必要があります。

頭金あり・なしの損得を考えてみる

 上のシミュレーション(3500万円の物件、35年、金利1.37%)の例からすると毎月の返済額は・・

返済額の差額:物件3500万円・35年・金利1.37%
毎月の返済額
頭金を500万円に設定 10万4,950円
頭金をなしとする場合 8万9,957円
毎月の返済額の差額 1万4,993円

 このようになります。頭金を500万円用意することで、毎月の支払いは「10万5千円」 → 「9万円」に抑えることができています。少しの差ではありますが、35年もの間、支払いのストレスが減少します。

銀行へ500万円が残っている安心感

 ここで、ポイントになるのは、毎月の支払いが「10万5千円」だったとしても、頭金を払っていないので銀行には500万円のお金が残っている事になります。つまり、毎月の支払いは楽なのです。逆の発想で考えると・・

POINT

1.37%の金利で500万円をローンしている

 ともいえます。つまり、「もしもの時」に対応できるお金が残っている安心感がずっと続きます。500万円というお金は・・

フリーローン・金利1.37%と考えると「超お得」

 なのです。生活ゆとりを考えて頭金を払わず「金利が優遇された500万円」の現金を残しておくという対策は有効なはずです。その、考えるべき「もしもの時」について考えてみます。

もしもの時のことを考えるべき

 予定外の出来事が起きて困ってしまう「もしもの時」とは・・

  • 交通事故で医療費が増大する
  • 持病が見つかり長期療養が必要になる
  • 地震・火災などで財産を損失する
  • 家族の介護のため休職することに
  • 子供の大学受験・入学金・授業料

 このような「大きな出費」があっても、住宅ローンの支払いをしながら生活できるかがポイントになります。ギリギリなのに「頭金」で貯金を使ってしまい、結局、出費に追われて・・

借金をしてしまう

 可能性があります。こうなると、「返済の負担を軽くする」考え方が大誤算となってしまいます。

ローンを完済するまでの期間と年齢

 住宅ローンを完済するまでの期間は、30年にするか、あるいは35年にするか迷うはずです。

POINT

  • 短くすると毎月の固定出費が増える
  • 繰り上げ返済で35年より早く完済する事も可能

 このような損得を考えて、35年ローンを選ぶ方が多くいます。しかし、人生は予定外のことが起きてしまうので、予定した「繰り上げ返済」ができず、結局は完済予定の年齢まで、住宅ローンに追われる生活を続ける可能性があります。

 このとき問題なのは・・

70歳を過ぎてもローンの返済を続けている

 可能性があることです。住宅ローンのプランを相談している時に「45歳からの35年ローン」を希望しても、「融資可能」となる可能性は十分にあります。つまり・・

完済予定の年齢を「80歳」

 となってしまうようなプランでもローンが組めてしまうのです。将来の年金の受給金額や、介護コストの問題など、老後になっても「お金の不安」は続くため、働かなければ完済できない状況に追い込まれてしまうことも考えられます。

住宅ローンは繰り上げ返済が可能である

 繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済額を支払いながら、追加で返済をすることです。すると・・毎月少しずつ減っていく元金(借りているお金:利息は含まれない)を一気に減らすことができます。

住宅ローンの繰り上げ返済時の変化
返済の回数 当月の返済額 元金の残り 繰り上げ返済
1 10万 2,990万
2 10万 2,980万
3 10万 2,470万 500万
4 9万円 2,461万
5 9万円 2,452万
6 9万円 2,443万

 上の表は分かりやすくすくするために「利息の返済金額」を含めていません。本来は、「元金の返済」、「利息の支払い」の両方を 毎月の住宅ローンの支払金額の中から充当しています。

 繰り上げ返済には2つの方法があります、上の表のパターンは「返済額軽減タイプ」です。繰り越し返済後には元金が減った分だけ「毎月の支払い」が減ります。

期間短縮型タイプの繰り越し返済とは

 もう一つの繰り上げ返済は、期間短縮型です。繰り上げ返済で元金を大きく減らしても、毎月の住宅ローンの返済金額は一定の金額が今後も続きます。つまり・・

POINT

完済するまでの年数が短くなる

 という方法になります。毎月の住宅ローンの支払いが「負担になっている」と感じるなら、「返済額軽減タイプ」にして、月々の支払いを減らして生活費にゆとりを求める事ができます。

 あるいは、完済予定の年齢が70歳以上となる住宅ローンにしているなら、繰り越し返済は「期間短縮型」を選ぶべきです。年金生活が始まる前の段階で完済しておくと、後でお金の心配をせずに済みます。

まとめ:住宅ローン頭金 借りる金利・何割・控除の損得

 住宅ローンのプラン選びでは、「頭金」の金額設定に悩む事になります。あまり無理をすると今後の生活が厳しくなるので、生活のゆとりを考えた金額を準備すべきです。そしてもう一つ・・

POINT

頭金無し・借入額を増やすと住宅ローン控除が受けられる

 という選択肢があります。しかし、住宅ローン控除とは・・

ローン残高の1%分を所得税と住民税から控除できる

 というルールです。この控除で得するには、住宅ローンを優遇金利(0.6%など)で借りながら、他にも 所得金額などいくつかの条件があります。そのため、住宅ローン控除狙いで「頭金なし」を選ぶと「損・得」どちらにもなる可能性があります。

Posted by mon